2000年度を迎えて





2000(平成12)年4月
(社)全国治水砂防協会

理事長 大久保 駿
  花の便りとともに新しい年度が始まりました。皆様いかがお過ごしでしょうか。

 
今こうして机に向かっている間も北海道の有珠山は噴火を繰り返し、地域の方々に大変な脅威を与え続けています。 一時も早く活動が終息し平穏な日々が戻ってくることを願わずにはおれません。 厳しい自然条件を持つ我が国の宿命とはいえ、災害のない安全で豊かな郷土の創造に向けて、私たち砂防協会も努力を続けなければと思う次第であります。

 
災害の話ばかりになりますが、昨年6月の広島の土砂災害は、新しく住宅が、がけ崩れなどが起こりやすい山裾に建つことによって、危険な状態になっていたところでの災害でした。 そのように危険にならないように、住宅が建つことを抑制したり、あるいはすでにある危険箇所の中の住宅の移転を促すような措置が必要という声が高まりました。 建設省はこのような状況に対処するため新しい法制度を制定するよう精力的に作業を進めてこられました。 すでに国会に提出し、間もなくこの法律案の審議が始まろうとしています。

 
砂防事業は、このような土砂災害を根絶するための仕事をしていますが、土石流を止めるため砂防ダムを造ったり、地すべりを止めたり、がけ崩れを防ぐ斜面対策を行ったりするハード対策に加えて、警戒避難などを行うソフト対策を進めてきています。 しかし、今回の、住宅が危険な山裾に入ってこないようにしたり、危険箇所の中の住宅の移転を促して危険を解消させるといった施策が加わることは画期的なことだと思うのです。 砂防の仕事の幅が広がり、まさに文字通り「総合的」な施策が展開されていくものと、大いに期待したいと思っています。 新しい世紀の幕開けに向けて、災害のない国土づくりのための手だてがいよいよ揃ってきたと思います。 

 
さて、私たち砂防協会職員の手作りのホームページはいかがでしょうか。 手作りですので不備なところ、不慣れなところなどいろいろご不満がおありでしょうが、どうぞお気づきの点などの声を頂き、ご指導いただきたいと思っています。 手作りであるがゆえに心を込めたものが出来るよう心配りをさらに続けていきたいと思っています。 
昨年6月のホームページ開設以来約12000のアクセスを記録いたしました。 本当に沢山の方々が関心を持っていただいていると感激しています。 さらにいいものを創って、いろんな情報を素早くお知らせできるよう努力を続けていきたいと思っています。 今後ともどうぞよろしくお願いいたします。