UPDATE 2000/3/14

土砂災害警戒区域における土砂災害防止対策の推進に関する法律案について

建設省記者発表資料 平成12年3月13日


 

平成12年3月13日

 
1.概 要

  即存の事業関連諸制度と相まって総合的な土砂災害対策を講じるため、土砂災害のおそれのある区域についての危険の周知、警戒避難体制の整備、住宅等の新規立地の抑制、既存住宅の移転促進等のソフト対策に関する新たな法制度を講じる。


(1)土砂災害防止対策基本指針の作成
○国土交通大臣は、以下の事項を定めた指針(「土砂災害防止対策基本指針)」を作成する。
  ・土砂災害防止のための対策に関する基本的な事項
  ・土砂災害防止のための基礎調査の実施についての指針
  ・土砂災害警戒区域・土砂災害特別警戒区域の指定についての指針
  ・土砂災害特別警戒区域内の建築物の移転等に関する指針

(2)土砂災害防止対策のための基礎調査
○都道府県は、土砂災害警戒区域の指定等のための対策に必要な基礎調査を実施する。

(3)土砂災害警戒区域の指定・警戒避難体制の整備
○都道府県知事は、関係市長村長の意見を聴いて、土砂災害のおそれのある区域土砂災害警戒区域として指定する。
○関係市町村は、警戒区域ごとに土砂災害に係わる情報伝達及び警戒避難体制の整備を図る。

(4)土砂災害特別警戒区域の指定・住宅等の立地抑制等
○都道府県知事は、関係市長村長の意見を聴いて、土砂災害により著しい危害が生じるおそれのある区域土砂災害特別警戒区域として指定する。
開発行為の規制により、新たに住宅等が立地することを抑制する。
・許可の対象:住宅宅地分譲、社会福祉施設等の建築のための開発行為
建築物の構造規制により、土砂災害に対する安全性の確保を図る。
・構造規制の対象:居室(居住、執務、作業等のための使用する室)を有する建築物
勧告による移転者のため、融資、資金の確保等の支援措置を講ずる。



2.閣議決定予定日

・平成12年3月14日(火)



(資料)
○土砂災害   土石流・地すべり・がけ崩れ
○発生件数   平成2〜11年までの10ヵ年平均:1,023件/年
  平成11年:広島県等全国で1,501件(死者34名)


最近の土砂災害発生件数
出典:(平成10年まで)土砂災害の実態1998/
(財)砂防地すべり技術センター
(平成11年まで)建設省砂防部調べ

危険箇所をすべて対策工事によって安全にしていくのには
膨大な時間と費用が必要


急傾斜地崩壊危険箇所数の推移
・(傾斜度30度以上、斜面高さ5m以上の急傾斜地で5戸以上の家屋がある箇所)
急傾斜地崩壊危険箇所整備済箇所数

ハード対策(土砂災害防止工事の推移)と併せて、土砂災害の
危険性のある区域を明らかにし、その中でのソフト対策(警戒避
難措置、立地抑制策)を充実させていくことが必要



土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律案の概要

対象となる土砂災害:がけ崩れ、土石流、地すべり

土砂災害防止対策基本指針の作成[国土交通大臣]
・土砂災害防止のための対策に関する基本的事項
・基礎調査に関する指針
・土砂災害特別警戒区域等の指定方針
・特別警戒区域内の建築物の移転等の方針

基礎調査の実施[都道府県]
・土砂災害警戒区域及び特別警戒区域指定等のための調査

土砂災害警戒区域の指定[都道府県]
<土砂災害のおそれがある区域>
情報伝達、警戒避難体制の整備
○警戒避難に関する事項の住民への周知
土砂災害特別警戒区域の指定[都道府県]
<建築物に破損が生じ、住民に著しい
危害が生じるおそれがある区域>

開発行為に関する許可制
対象:住宅宅地分譲、社会福祉施設等の
ための開発行為
○建築規制(すべて建築確認の対象)
土砂災害時に著しい損壊が生じる建築物に
対する移転等の勧告
○勧告による移転者への融資、資金の確保

<警戒避難体制>
・市町村地域防災計画
(災害対策基本法)



<建築規制>
・居室を有する建築物の構造
基準の設定 (建築基準法)
<移転支援>
・移転費用融資等









 
問合せ先

建設省砂防部傾斜地保全課
課長補佐 栗原 淳一
(代表)TEL03-3580-4311(内線3484)  03-5251-1887(直通)
 

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