1.はじめに
○金沢市の概要
金沢市は,石川県のほぼ中央に位置し,東側は白山連峰から延びる山間地で,西側は日本海に面しています。
市域は,白山山系から連なる山々を背に日本海に至り,金沢城を中心に広がる市街地は,3つの台地とその間を流れる犀川,浅野川2つの河川を中心に形成されており,起伏に富んだ地形を形づくり,山や
海,緑など豊かな自然に恵まれています。
金沢市は県庁所在地として,石川県の行政・文化・経済の中心として発展を続け,行政面積467平方キロメートル,人口45万5千人,世帯数18万5千世帯の中核市であります。
|
位置図
|
2.降雨の状況
当日の気象状況は,北陸付近に停滞前線があり,ゆっくり南下し,この前線に伴う雨雲が28日未明から強まり局地的な大雨を降らせました。
市の東南部の二級河川浅野川上流に架かる芝原橋では,午前4時から7時までの3時間に,それぞれ時間雨量26mm,114mm,111mmの計251mmを記録する猛烈な豪雨に見舞われました。
一方,市の北西部の平野部にある金沢地方気象台では,時間最大雨量19.5mmであり,金沢市東南部の二級河川浅野川上流域を中心とした,まさに局地的な集中豪雨でありました。
|
降雨の状況 |
3.土砂災害警戒体制
本市の土砂災害警戒体制は,大雨警報発令時に職員9名による第1次非常配備体制に入り,石川県の土砂災害警戒情報システムによる3時間後予測がクリティカルライン(CL ライン)基準値を突破すると予測された場合には15名体制による第2次の,さらに状況に応じ,25名体制による第3次非常配備体制をとることとしています。
土砂災害に関する最初の被害報告は午前6時50分,浅野川上流部に位置する芝原地区からがけ地崩壊の恐れありとの通報があり,パトロール班1班を出動させました。
午前7時5分には金沢市に土砂災害警戒情報が発表され,第2次非常配備体制を敷き,土砂災害警戒システムの監視を続けるとともに,随時,パトロール出動を行いました。
4.避難勧告等の発令
本市では,大雨警報発令と同時に災害対策本部準備室を設置し,その後,災害対策本部へ移行し,湯涌地区での被害が判明した午前8時に湯涌校下へ避難準備情報を発令し,また,8時20分,浅野川の中下流域に避難所開設指示,8時45分避難勧告,8時50分,避難指示を発表することとなりました。
次第に,山間部での被害の状況が判明してくるにつれ,16時15分芝原町へ,29日には折谷町へ,30日には辰巳町及び板ヶ谷町へ避難勧告を発表しました。
|