4.災害対応について
土砂が流れ込んだ住宅では,地元消防団員及び市職員等による家財道具の搬出,建設業者による大型土のうの設置を行い,被害拡大を防止するとともに,県により小楠川上流部に土石流センサーを設置していただき,近隣住民に対して避難態勢を整えました。
また,住民も自主的に7世帯が,一時的に公共施設に避難しました。
今回の豪雨災害では,いち早く災害関連緊急砂防事業の採択をいただくなど,国土交通省,長野県をはじめとする関係機関の皆様に,迅速に対応をしていただき,この場をお借りしまして厚く御礼申し上げます。
5.おわりに
本市も平成の大合併(1市2町4村)により,面積が約2倍の834.85km2となりましたが,面積の大部分(74.3%)が中山間地域です。
本市の中山間地域は,急峻な地形が多い上,地盤がもろく不安定で,大雨が降ると災害を受けやすい自然条件にあります。特に,市西部地域の山間部は,県内有数の地すべり地帯でもあります。
このため,山地崩壊,土砂流出,河川の溢水等による土砂災害や水害被害を防止する砂防,河川事業は,流域住民の生命・財産を守り,安全・安心な地域づくりを推進する上で,大変重要な事業であります。
しかし,一方で県下の砂防,河川施設の整備率は依然として低く,更に年々砂防,河川事業の予算額が急速に減速している状況であります。
加えて,近年頻発する災害により,復旧事業等の緊急対応に先取りされ,本来,災害軽減のために計画的に推進すべき予防対策としての砂防,河川事業が極めて進んでいない現状にあります。
このことを踏まえ,住民生活や経済活動等にも大きく影響する基幹的な砂防,地すべり対策,河川施設の整備について,貴(社)全国治水砂防協会さんの強力なリーダーシップにより,国のより一層の事業強化に向けて,働きかけていただくことを望みます。
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【参考】 |
・長野県の砂防、河川事業の現状と整備率 |
事業名 |
事業費 |
整備率 |
砂防事業 |
10年前のH13年度241億円余
H22年度は106億円余で約4割程度に減少 |
土石流 20.1%(H21年度末)
地すべり 23.1%(H21年度末)
急傾斜 23.2%(H21年度末) |
河川事業 |
H10年度がピークで390億円余
H22年度は88億円余でピーク時の約2割程度に減少 |
37.9%(H21年度末) |
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・市内の土石流、急傾斜地の土砂災害警戒区域指定箇所は1,506箇所、特別警戒区域指定箇所は1,130箇所(H22.10.1現在)、また、市内の県管理一級河川延長は約230kmであります。毎年、その整備促進や維持管理の強化について、関係同盟会等ともに連携して県に要望しています。 |