SABO NEWS LETTER 第18号 1999/7/30
3.土砂災害対策の緊急要望活動について(報告)



 
 平成9年,平成10年の連年にわたり全国的に土砂災害が多発し、 国民の貴い生命と莫大な財産が失われました。 本年も既に全国各地で 1,000件に及ぶ土砂災害が発生し、高齢者等の災害弱者を含み25名の貴い 生命と多大の財産が失われたのであります。

 このことは、土砂災害対策の著しく立ち遅れていることに起因するもので あり、砂防協会として政府におかれては緊急土砂災害対策を、緊急かつ 重点的に講じられたい旨、唐沢会長・大久保理事長をはじめ協会役員が、 7月22・23・26日に自由民主党本部・国会議員及び政府関係機関に対し、 緊急要望活動を行いました。

要望書の内容は、次の通りであるのでお知らせいたします。

 なお、会員各位も、地域の実情を踏まえた土砂災害対策の実施につい て、関係方面に要望されるようお願いいたします。





               緊急要望書 全文

      土砂災害対策の緊急かつ重点的実施について



 わが国の土砂災害危険箇所の整備は、著しく立ち遅れており、平成9年 ・10年の連年にわたり全国的に土砂災害が多発し、国民の貴い人命と莫 大な財産が失われた。

 本年も全国各地で既に950件を上回る土砂災害が発生し、特に、本年 6月末からの梅雨前線豪雨では、広島県を中心に全国で750件を上回る 土砂災害が発生し、高齢者等の災害弱者を含み25名の貴い人命と多大の 財産が失われた。

 政府におかれては、緊急土砂災害対策として早期に下記の対策を実施 される事を強く要請する。


                     記

一、全国18万箇所にのぼる土砂災害危険箇所の整備率は約20パーセ ントと極めて低いので、計画的整備の推進を図ること。

一、このたびの被災箇所について、災害関連緊急砂防等事業の速やかな 決定と早期復興に万全を期すこと。

一、本年の被災箇所はもとより、近年の被災地域について今後の降雨に よる再度災害を防止するため、土砂災害緊急対策を強力に推進する こと。

一、土砂災害による犠牲者のうち、高齢者等の災害弱者の占める割合が 大きい事から、災害弱者の住宅や関連施設の保全対策を強力に推進 すること。

一、土砂災害から国民の人命を守るため
 ・危険区域の周知及び警戒避難体制の整備
 ・危険箇所にある住宅移転とともに住宅等の立地抑制等に関する方策 を立案すること。


 これらの施策の推進のため、本年度予算において所要額の確保をはか るとともに、平成12年度砂防関係事業費について、充分な予算を確保す ることを強く要請する。

     平成11年7月22日
      社団法人 全国治水砂防協会
               会長 唐沢俊二郎