SABO NEWS LETTER 第19号 1999/8/11
5.赤谷川緑の砂防ゾーン創出事業
竣工式開催について




 平成11年7月20日、奈良県吉野郡大塔村赤谷オートキャンプ場内において、「赤谷川緑の砂防ゾーン創出事業(補助荒廃砂防事業)」の竣工式が開催されました。

 竣工式典には、池谷建設省砂防部長、柿本奈良県知事をはじめ、地元選出国会議員等多数の出席をいただきました。 また、同時に「水と緑の地域交流フェスティバル’99」も開催され、総数1,500人もの方が当地に参集し、工事の完成を祝いました。

 赤谷川は熊野川の支流で、大塔村の南西部を流れる清流です。周辺は緑があふれ、豊かな自然はアマゴ等の渓流魚をはじめ、アカショウビンやツキノワグマ等の貴重な生き物の生息地となっています。
 一方、上流は荒廃が進み、渓床への土砂堆積が著しく表流水が伏流してしまい、土砂災害が発生する恐れがあり対策が急がれる渓流でもありました。
そこで、本事業では、この自然のすばらしさを損なうことなく、安全性を高めるために、様々な工法を検討し、実施しました。

 石付マット工、布製型枠コンクリート工による低水路工、低水路断面を付けた床固工によって魚道の設置なしでアマゴ等が行き来できるよう渓流魚の生息環境に配慮し、清流の復元を図りました。 また、間伐材を利用した砂防施設を多用し、ウッドジョイントを使用した格子法枠工、ウッドブロックを組み合わせた土留工、谷止工を施工し、木のあたたかみを活かした自然にやさ
しい工法とっています。  

 これらの工法により、自然環境にも、生物の生息環境にも配慮した砂防施設 が整備されました。 その結果、常時水の流れる清流が復活し、川遊びもできるようになりました。 今後、隣接するオートキャンプ場とあわせたレクリエーションゾーンとして地域活性化の一助となると期待を寄せているところです。


      (上記に関するお問い合わせは、奈良県土木部砂防課まで)