SABO NEWS LETTER 第20号 1999/9/1
5.「日光砂防祭」開催について




 「日光砂防祭」(主催:日光砂防協会)が8月20日、日光市所野の砂防塔前で開催されました。 この祭事には、池谷砂防部長、田関東地方建設局長ほか建設省関係者、大久保全国治水砂防協会理事長、県、市、砂防工事従事者の方々などが参加されました。

 日光二荒山神社宮司による厳かな神事の後、第2部の「式典」では、主催者である日光砂防協会会長の日光市長が、「砂防事業は土砂災害から国民の生命財産を守り、安全で豊かな地域を作る根幹的な事業であり、今後も一層の推進が必要である」とあいさつされ、池谷砂防部長は、「災害の恐ろしさと砂防事業の必要性を語り継ぐ日光砂防祭のような伝統行事は、21世紀へもずっと伝承していく必要がある」とあいさつされました。

日光砂防祭とは・・・
 
 日光では昔から日光火山群の荒廃地から流出する土砂により、洪水のたびに土砂災害に苦しんできました。明治35年、39年、43年、大正3年と大きな災害を受け、大谷川、稲荷川の水源部は荒廃をきわめ、その対策の実施を地元住民から請願され、大正7年8月21日、荒廃が最も著しい稲荷川に、国の直轄砂防事業として稲荷川第一堰堤が着工されました。以来建設省、栃木県が砂防事業を実施し、河川が安定して、洪水、土砂災害が少なくなりました。

 この日光の砂防事業の推進に尽力された、元日光市長故佐々木耕郎氏が、昭和45年7月10日に、砂防功労者として建設大臣表彰を受けたのを機に、日光の砂防事業の始まりとなった8月21日を記念し、往年の洪水により遭難された人々並びに、砂防工事関係殉職者に慰霊の誠を捧げるとともに、砂防工事施工関係各位の努力に感謝の意を表し、将来の前進を期して、大谷川の自然石をもって昭和48年8月21日に砂防塔が建設されたものです。それ以来、関係者の方々の熱意により毎年8月21日(今年は土曜日のため20日)に砂防祭を開催し、犠牲者を慰霊するとともに、砂防事業の重要性が伝え続けられています。

     (上記に関する問い合わせは、建設省関東地方建設局日光砂防工事事務所)