SABO NEWS LETTER  No.24 1999/12/2


2. 「第1回日伊土砂災害防止技術会議」開催される


 
 去る11月1日から4日までの4日間「第1回日・伊土砂災害防止技術会議」が、東京・砂防会館、鹿児島・桜島国際火山砂防センターを中心として開催されました。

 11月1日には、建設省の岸田政務次官、イタリア大使館のメネガッティ大使をはじめ多数のご来賓の出席のもと開会式が行われました。 冒頭で、今後の会議の進め方等を定めた実施取極が、日本国側代表池谷砂防部長、イタリア国側代表ウベルティニ国家研究評議会水文災害防止委員会委員長との間で調印され、日伊科学技術協力協定にもとづく新たな会議として「日伊土砂災害防止技術会議」が正式にスタートしました。

 建設省岸田政務次官は、「日伊土砂災害防止技術会議の設立により火山活動、地震多発等自然条件における共通点も多く土砂災害に見舞われることの多い両国間の協力体制の強化が図られ、土砂災害防止技術が一層発展・開発されていくものと確信する。」と挨拶され、イタリア大使館のメネガッティ大使は、「自然災害に国境はない。災害防止に関する情報・知識の交換のために、専門技術者の交流は大切である。」と会議の重要性を強調されました。このほか、外務省・天野審議官、科学技術庁・白川審議官も来賓としてあいさつに立ち開会式が終了した。

 続いて本会議の冒頭では、日本国を代表して池谷砂防部長が「日本の砂防」と題して基調講演を行ない、日本の国土の特徴と砂防の歴史、現在の砂防関係事業の実施体制、最近の砂防関係の話題等を網羅的に紹介した。
イタリア共和国からは、ウベルティニ委員長がイタリア共和国における防災システムについて、水文災害防止委員会の活動状況等を中心に紹介した。
技術討論会では、土砂災害防止を共通の課題として抱える両国より

 1,土砂災害と対策、
 2,メカニズム、
 3,危機管理

の3つのテーマで意見交換が行われた。 

 このほか、両国代表団は、桜島の火山砂防事業現場を訪れた。現地では火山災害の実態、砂防施設や土石流観測システムの状況の視察とあわせて記念植樹が行われた。

 会議は11月4日の総括討論で終了した。終了に際し、次回の会議を来年度イタリア国において秋頃開催することが満場一致で決定された。


(上記関する問い合わせは、建設省砂防部砂防課まで)