SABO NEWS LETTER  No.28 2000/3/3


4. メキシコ合衆国へ災害復旧指導について


  メキシコ合衆国からの要請を受け、災害復旧指導を目的に長野県土木部砂防課 細川主任が、JICAの短期専門家としてメキシコ合衆国へ派遣されました。 細川氏からの報告を下記の通りお伝えします。


  去る1月24日から2月9日までの17日間、災害復旧指導のため長野県砂防課からメキシコ合衆国へ短期専門家として派遣されました。

 派遣の目的は1997年10月ハリケーン豪雨により被害を受けたアカプルコの災害復旧事業評価と1999年10月に熱帯低気圧豪雨により被害を受けたメキシコ中部プエブラ州の災害現場調査です。

 派遣のきっかけとなった1997年10月アカプルコ災害は、土石流、がけ崩れにより400名以上の人的被害が生じ、観光地アカプルコは大打撃を受けました。
直後に緊急調査専門家及び短期専門家が派遣され復旧の指導を行ってきました。これらの指導により災害復旧が進み、被害の大きかった市街地の流路工はほぼ100%復旧しており、警戒避難システムも運用を開始しており、災害の教訓が生かされると同時に日本の技術指導の成果が発現されていました。

 しかし、土砂の発生源対策が不十分であり、現地政府からも引き続き日本からの砂防技術指導の要請がありました。 一昨年のホンデュラス災害、昨年のベネスエラ災害、メキシコの中部地域の災害と毎年ラテン諸国を襲う土砂災害の対策に、各国の「日本の砂防」への期待の大さを感じました。

長野県土木部砂防課 細川 容宏


(上記に関するお問い合わせは、建設省砂防部砂防課まで)