SABO NEWS LETTER  No.29 2000/3/31


6. 「全国治水砂防協会島根県支部設立60周年記念式典」
及び協賛「土砂災害対策講演会」開催結果について


 「全国治水砂防協会島根県支部設立60周年記念式典」(主催:全国治水砂防協会島根県支部)を去る3月27日、建設省池谷砂防部長、全国治水砂防協会大久保理事長、澄田島根県知事、地元選出国会議員の方々、島根県議会砂防事業促進議員懇話会の方々をお招きし、会員の市町村長など約180名が参加して、松江市のホテル宍道湖において開催しました。

 式典では、熊谷支部長の式辞に続いて、大久保理事長から「全国治水砂防協会の歴史」についてお話しがあり、島根県浜崎砂防課長が「全国治水砂防協会島根県支部と島根の砂防(SABO)のあゆみ」について発表しました。
永年、支部長・副支部長として貢献された8名の方々に熊谷支部長から、砂防功労賞をお贈した後、来賓の方々からご祝辞を頂き、盛会の内に式典を終えました。

式典に続いて、協賛の「土砂災害対策講演会」(主催:島根県)を開催しました。「土砂災害から身を守るために」をテーマにしたこの講演会には、県議会議員、市町村長、土木建築(土木)事務所長をはじめ、市町村、県で砂防事業や防災対策を担当する職員、及び、民間の砂防ボランティアなど、約200名の参加がありました。

講演会では、平田市の布勢川で平成9年7月発生した土石流の際に、地域住民を早期避難させて、その命を守り、平成10年度土砂災害防止功労者として建設大臣賞を受賞された米江徳次さんが、当時の体験を元に「住民自らが普段から山や川の様子に注意し、異常なときには助け合って早めに避難することが大切。」などの話をされました。
続いて、美濃郡美都町土木課主幹長岡さんが平成9年7月の梅雨前線豪雨による地すべりの際に、集落の住民があらかじめ最も安全と考えられるお宅に避難していたため、人的被害を免れた、「美都町の金谷集落の自主避難体制」について話されました。

 次に、鹿足郡六日市長の七五三町長が「ふるさと砂防事業」で設置した砂防施設が豊かな自然や周辺の宿泊施設等と調和し、県外からのお客でにぎわっている話、平成11年9月の台風18号による土砂災害の様子と、災害復旧の状況、土砂災害に強い町づくりの重要性などについてお話になりました。

 最後に、特別講演として、建設省池谷部長が「21Cに向けて土砂災害から地域を守り地域を振興するためには、日常からの地域のつながりが大切である。行政側は危険箇所等の情報を公開・提供し、住民はそれをきちんと受け取れるような仕組みを作った上で、行政と住民がしっかり役割分担することが重要である。情報化社会に向けて、地域や日本を良くするためには、もっと、地域からの声を発信することが大切である。」などの話があり、2時間の講演会は盛況の内に終了しました。


(島根県土木部砂防課)