SABO NEWS LETTER  No.33 2000/5/25


3. 有珠山における土砂災害対策の状況


 
火山活動が続く有珠山では、火口から噴出した土砂が大量に堆積しており、 
西山西側火口から太平洋側へ流れる板谷川と、金比羅山火口から洞爺湖温泉
街を流れる西山川で、緊急的な泥流対策のために無人化施工機械や無人ヘリ
コプター等を活用した工事や調査を行っています。


1、無人化施工機械による泥流対策工事

 板谷川では5月1日から、立入禁止区域内において遊砂地の整備を無人化施工によって実施しています。この技術は、雲仙普賢岳の災害の際に開発されたもので、今回の工事では無人のショベルカーやダンプを約1.2km離れたところから、カメラ映像を見ながらリモコンで操作しています。
 西山川では、5月22日から無人化機械を操作するための電波などをチェックする試験工事を行っています。

2、自律型無人ヘリコプターによる世界初の観測調査

 建設省土木研究所は、4月24日から26日にかけて、西山西側火口群周辺において世界で初めて無人ヘリコプターによる観測調査を実施しました。
 この無人ヘリは、空中散布用の無人ヘリを改良してGPSを搭載し、リモコン操作をしなくとも予めプログラムしたコースを自律的に飛行可能としたものです。

 無人ヘリによる空撮画像は、ホームページでご覧になれます。
 http://www.mr.hda.go.jp/usudata/dosha.htm


3、世界初の噴火直後における空中レーザー測量による調査

   建設省土木研究所は4月26日にヘリコプターによる空中レーザー測量を世界で初めて噴火直後に実施しました。噴火直前の3月31日のデータとの比較により、最大隆起量は約65mであることなどが判明しました。得られたデータは火山噴火予知連絡会へ提供するとともに、今後の泥流対策等に活用していきます。


(上記に関するお問い合わせは、建設省砂防部砂防課まで)