SABO NEWS LETTER  No.34 2000/6/16


3. 有珠山における土砂災害対策の状況


 
 6月15日現在、避難指示区域は虻田町泉地区の一部及び洞爺湖温泉地区となっており、まだ668人、377世帯の方々が避難生活を続けています。
 有珠山の火山活動は続いており、火口周辺には大量の火山噴出物が堆積しているため有珠山土砂災害対策専門家チームが監視・観測等を行うとともに、無人化施工機械による緊急的な泥流対策工事も行っています。


1、有珠山土砂災害対策専門家チーム

  
 建設省、北海道開発局、北海道のそれぞれの担当者からなる有珠山土砂災害対策専門家チームは、噴火直後の4月1日から土砂流出や降灰状況等の監視・観測、土砂災害対策の基礎調査を続けており、毎日の監視・観測、調査結果をレポートとして公表しています。
また、これまでに関係機関と立入禁止区域内における泥流対策現地調査の実施、虻田町等への降雨時における泥流発生危険性の情報提供を行っています。

 なお有珠山土砂災害対策専門家チームのレポート及び火口周辺等の画像を次のホームページで閲覧できます。

http://www.mr.hda.go.jp/usudata/dosha.htm


2、泥流に対する警戒・避難体制


 西西山火口群から太平洋側に流れる板谷川流域では、火山活動に伴う火山灰等の堆積、地殻変動による地形変化で降雨時の泥流発生が心配されています。 4月に設置された有珠山土砂災害対策検討委員会では、現在までに委員会を1回、幹事会を3回開催し、今後必要とされる泥流対策の内容及び泥流の警戒・避難基準に関する検討を行いました。この検討結果をもとに緊急的な泥流対策工事を実施するとともに、泥流の警戒・避難基準は、避難指示区域での一時帰宅の中止や国道の交通規制に適用しています。6月22日の第2回有珠山土砂災害対策検討委員会では、避難指示の解除された区域での泥流に対する警戒・避難体制の検討を行います。




3、無人化施工機械による泥流対策


 板谷川の泥流対策として遊砂地の築造を遠隔操作による無人化施工機械によって行っています。6月14日現在3,074m3を掘削し、7月末までには15,000m3を掘削する予定です。
金比羅山火口群から洞爺湖温泉街を流れる西山川では、流路工が火口からの土砂で埋まるとともに流出した橋が流路工内にあって流れの障害となっています。この区域も火口に近く、噴石が飛んでくる危険があるため立入禁止となっているため、遠隔操作による無人化施工機械で、流れの障害となっている橋の撤去を行います。

 現在、遠隔操作用の中継所や映像用カメラ、無線送受信機の設置を終え、無人化機械の走行試験を行いながら搬入路の検討を行っています。



(上記に関するお問い合わせは、建設省砂防部砂防課まで)