SABO NEWS LETTER  No.36 2000/8/8


3. 有珠山における土砂災害防止対策の状況



 3月31日に噴火した有珠山は、その噴火活動も8月5日現在、終息してきています。避難指示区域は、火口から半径約500mの範囲となっており避難対象人数は、虻田町で202世帯、378人です。

こうした中で伊達市に設置されている有珠山噴火非常災害現地対策本部が8月11日に閉鎖されることなりました。今後は、噴火災害からの復旧・復興対策に地元をはじめ関係機関が本格的に取り組んでいくことになります。

 噴火直後の4月1日から土砂流出や降灰状況等の監視・観測、土砂災害対策の基礎調査を実施している有珠山土砂災害専門家チームは、今後も監視、調査を継続していきます。

  (ホームページ http://www.mr.hda.go.jp/usudata/dosha.htm)

 避難指示が解除された区域のうち、降雨時の泥流発生が心配されている板谷川流域の虻田町入江地区、泉地区及び西山川流域の虻田町洞爺湖温泉地区では、有珠山土砂災害対策検討委員会(委員長:新谷北海道大学教授)が示した降雨量による泥流警戒避難基準と現地調査等で設定した泥流危険区域をもとに虻田町が作成した泥流避難計画により泥流に対する警戒避難体制を組んでいます。

 また、無人化施工で進められている泥流対策のうち板谷川の遊砂地工事は、避難指示区域の解除で遠隔操作の操作室と作業エリアの距離が短くなった等の施工条件の改善により予定より掘削が進み、8月1日現在までの掘削量がで全掘削量の約3分の1に達しています。同じく無人化施工で実施している洞爺湖温泉地区を流れる西山川流路工内の堆積土砂の掘削も予定通り進んでいます。


 (上記に関するお問い合わせは、建設省砂防部砂防課まで)