SABO NEWS LETTER  No.40 2000/11/22


4. 神津島、三宅島の現況



 1 神津島

  本年7月1日に神津島近海で震度6弱の強い地震が発生し、神津島、新島では多くの斜面崩壊が発生した。以来、群発地震が継続し、また相次ぐ降雨などにより斜面崩壊の拡大が危惧されていた。神津島では頻発する地震とそれによる斜面崩壊に備えて斜面近辺の60世帯の常時避難が開始され、7月9日には74世帯に拡げられた。その後の主な経緯をまとめると

7/1 震度6弱の地震発生、群発地震継続、60世帯常時避難
7/9 震度6弱の地震、常時避難74世帯に
7/14 神津島斜面災害対策検討委員会(委員長:全国治水砂防協会理事長 大久保駿)設置(現在は伊豆諸島土砂災害対策検討委員会 斜面分科会に再編)
8/2 「降雨時の警戒避難基準雨量(暫定値)」決定、運用開始
8/11 一時帰宅開始
8/22 斜面点検・調査の結果、常時避難の一部を解除して14世帯に
10/11 「地震活動ほぼ収まる」見解発表(地震調査委員会)
10/17 1世帯を残して常時避難解除

 この間、応急工事が進められ、また災害関連緊急急傾斜地崩壊対策事業等が採 択、実施が進められている。また、この間の数回の降雨後の斜面崩壊の拡大、発生状況 を調査し「降雨時の警戒避難基準雨量」の見直し作業に着手している。


 
2 三宅島

  本年6月26日緊急火山情報が出され、火山活動の活発化が確認された。7月8日に噴火し、その後今日まで噴火が継続している。この間の主な経緯をまとめると、 6/26 緊急火山情報
 
7/8 噴火
8/18 最大級の噴火、全島に降灰、噴石
8/28 伊豆諸島土砂災害対策検討委員会(土石流・泥流分科会 委員長:全国治水砂防協会理事長 大久保 駿)設置
8/29 噴火、火砕流発生
9/1 「警戒避難基準雨量(暫定値)」決定
9/2 全島避難指示

 三宅島の全島避難が実施された後、火山ガスの大量放出が続き、全島避難が継続されている。この間ライフラインの点検など保守など火山ガスの測定をしながら実施されており、泥流も随所で発生していることが確認されている。
災害関連緊急砂防事業などが採択されたが実施準備中である。
また、「警戒避難基準雨量」に合わせて対象区域の策定準備が進められている。
 
   
   
(提供 東京都建設局河川部)