SABO NEWS LETTER  No.49 2001/10/10


3. 第14回砂防研究報告会開催される




 平成13年度砂防研究報告会が平成13年9月27日から28日にかけて、(社)全国治水砂防協会主催で東京都千代田区平河町にある砂防会館において開催され、全国の直轄砂防事業及び都道府県砂防事業担当者等224名が参加しました。

 本報告会は、議論を深めるためテーマ毎に分科会を設定して実施しており、本年は次の5分科会が設定され活発な議論が行われました。


第1分科会:「流砂系の土砂移動実態と総合的な土砂管理への適用」
 流砂系における土砂移動実態を前提として流砂系内の土砂供給や抑止に過不足のない総合的な土砂管理を行うための具体的な方策について検討しました。


第2分科会:「在来種・郷土種を用いた初期緑化技術及び樹種転換技術」
初期緑化技術及び樹種転換技術の事例を検討し、実施上の課題について討論を行いました。また岡村俊邦北海道工業大学教授より多様な樹種を使用して自然の淘汰に任せた植栽法の「生態学的混播法による自然林の再生技術」について講演がありました。


第3分科会:「実効性の高い警戒避難体制のあり方」
 土砂災害のための警戒避難体制を実施面に即して検討し、実効性の高い警戒避難体制のあり方について討論を行いました。


第4分科会:「砂防事業における工事中の安全対策について」
 砂防(堰堤前法勾配、材料、オープン化)、地すべり、急傾斜、維持管理、伝統工法などの事例について適用性、課題等既設施設の機能向上について検討しました。



  さらに平成12年度に全国で実施された砂防調査の概要と成果に関して次の5事例が報告されました。


1.「光ファイバーを用いた調査計測手法に関する検討」
独立行政法人土木研究所新潟試験所

2.「猛禽類マニュアルの作成と運用」
北陸地方整備局湯沢砂防工事事務所

3.「桜島における土石流土砂を利用したISM工法」
九州地方整備局大隅工事事務所

4.「砂防施設のGIS・CADを利用した概略設計支援KHシステム」
北陸地方整備局松本砂防工事事務所

5.「土砂災害情報の収集及び提供に関する検討」
関東地方整備局利根川水系砂防工事事務所




また、分科会討議の他に、全体会議では本省からの話題として


「砂防行政にかかるトピックス」  砂防計画課砂防計画調整官 南 哲行

「砂防事業にかかるトピックス」  保全課保全調整官 森山 祐二

 の講演が行われました。



 なお、本報告会は、砂防関係の調査、研究の成果を活用し砂防技術の発展を図る目的で、国土技術政策総合研究所危機管理技術研究センター砂防研究室、及び独立行政法人土木研究所土砂管理研究グループ・新潟試験所を事務局として毎年開催されています。

 各分科会と討論内容の詳細をお知りになりたい方は、下記問い合わせ先までご連絡ください。

問い合わせ先

国土技術政策総合研究所危機管理技術研究センター
 砂防研究室
TEL:0298−58−1819
FAX:0298−64−0903
主任研究官 冨田 陽子 E-mail:tomita-y92r2@nilim.go.jp
研究官  柳原 幸希E-mail:yanagihara-k92rd@nilim.go.jp