SABO NEWS LETTER  No.51  2002/1/21 


3. 新年のご挨拶


(社)全国治水砂防協会
 理事長  大久保 駿


 新年明けましておめでとうございます。皆様方には清新なお気持ちで新春をお迎えになられたこととご推察申し上げます。

 会員の皆様には、昨年も砂防事業促進のため、そして砂防協会発展のため、ひとかたならぬご支援を賜りましたこと、心から御礼申し上げます。

 年末の予算編成におきまして、平成14年度砂防関係事業予算は他の公共投資と同様に厳しく抑制され、対前年比11%減と言う近年経験したことのないものとなりました。国民の生命・財産を守る使命を持つ砂防の促進を担う砂防関係者の一員として大変な危機感を感ずる次第であります。住民の生命・財産をあずかる会員各位の皆様も同様のお気持ちではないかと思う次第であります。砂防事業の発展のためにさらなる努力を続けて行かねばならないと感じているところであります。

 しかしながら、このような厳しい情勢は一過性のものでないと考えざるを得ないと思うのであります。人の命を守る仕事は手を抜くわけには行かないのですから、事業の促進は言うまでもないことですが、最小の投資で最大の効果を生み出すための努力がさらに必要であり、そのための工夫を、行政担当者も住民も力を合わせて一緒に考え、工夫していかなければならないのではないでしょうか。贅肉を落としたスリムな、かつ整備水準を落とさないで、そして多様な機能を持たせた施設づくりを""を持って考えていただきたいものです。

 防災と言う仕事は元来大変地味なものですが、人との関わりで災害が起こるのですから、砂防の仕事を沢山の人に知ってもらうことが大事です。砂防への理解がいろんな人々に浸透していくことが、砂防事業への理解、災害を防ぐ住民の自主努力の醸成につながって行くと思うのです。自己満足ではない、ありふれた言葉ですが"効果のあるPR"をして、砂防を分かりやすく"説明"する事が必要だと思います。"砂防"を誰にでも分かる言葉にしたいものです。

 50年前にローダーミルクが"SABOを国際語に"しようと提唱し、定着してきましたが、今さらながらですが、"砂防を一般語に"していきたいと思うのです。

 砂防協会もその活動の理念であります、"砂防事業の発展により公共福祉の増進に寄与する"をよく噛みしめ、事業促進のみならず多種多様な公益的な事業をこれまで以上に充実、実施し、砂防関係界の期待に応えていきたいと考えております。

 新しい年を迎え、ひと味もふた味も違う夢のある砂防が幅広く展開され、国民の負託に応えられるよう、砂防協会も砂防の発展に多くの貢献ができるよう、さらに努力を続けていく所存であります。会員の皆様のご鞭撻、ご教示をよろしくお願い申し上げ新年のごあいさつと致します。