SABO NEWS LETTER  No.52  2002/4/25 


1. 国土交通省砂防部長よりご挨拶


  皆様へ                       
砂防部長 岡本正男より


 ご無沙汰しています。例年にない暖かさで、桜を楽しむ間もなく4月も下旬に入ろうとしています。

1.雪崩防災シンポジウム(1月24日〜25日,岩手県湯田町)

 シンポジウムで大変素敵な人生の大先輩に会いました。高橋喜平さん(パネラー)です。雪の世界一の権威です。昭和11年から毎日雪の写真を撮っておられます。もちろん、シンポジウムの朝も早くから外に出てカメラされていました。目で確かめること、観測、観察することの大切さ自然から学ぶことの姿勢を貫いている方です。高橋先生の愛するものは3つあるとの事です。
自然とお酒と女性。いつまでもお元気に。

 開催にあたっては岩手県湯田町長さんにお世話になりました。
 有難うございました。

 「よりソフト」な砂防を目指します。

 「雪が融けると何になる?」 街の子「水になる」 雪国の子「春になる」

 想いが伝わります。

2.安中三角地帯復興記念式典(3月23日 島原市)

 前日の雨の天気が嘘のような快晴に恵まれ、天気も空から祝福してくれたようでした。地域の皆様の頑張る気持ち(当地では“がまだす”)が通じたのでしょう。大町辰郎氏(NPO法人島原普賢会理事長)の安中三角地帯の完成に伴う「安中三角地帯嵩上げ協議会」の解散宣言には万感の想いが感じられました。本当にご苦労様でした。

3.日韓土砂災害防止技術会議(3月28日29日ソウル市)

 昨年の日韓文化交流の成果として新たに日韓土砂災害防止技術会議を持つことができました。第1回目はソウル市で行いました。

 韓国山林庁林業政策局と林業技術院との交流です。昨年(社)全国治水砂防協会の小林理事が訪韓された際、両国共通の砂防が話題となり今回の会議の実現となりました。

 砂防に関する継続的な情報交流と会議の開催が合意されました。

 両国の砂防の熱い思いが通い合うことを確信しました。

 「よりワールドワイド」な砂防の展開を図ります。

4.日伊土砂災害防止技術会議(4月9日〜12日 広島、東京)

 日伊の科学協定に基づく日伊土砂災害防止技術会議の3回目が開かれました。私は1回目の日本での開催に続いての参加ですので7人中6人が顔見知りで和気あいあいに進みました。お互いに顔なじみというのは洋の東西を問わず人の心の距離を感じさせません。

 会議の中身は濃く、両国とも近年「土砂災害防止法」が制定されたこともあり、如何に土砂災害から住民の生命を守るかについて、ハード、ソフト含め熱心に議論しました。今回は広島の視察に平成11年6.29災害現場や世界遺産の砂防施設紅葉谷川に加え、原爆資料館も入れました。全員が何かしらの想いを持たれました。「よりワールドワイド」で頑張ります。

 アトラクションの高宮町の神楽 良かったです。有難うございました。

5.ためになる砂防知識?谷と沢どっちが多い?

 昔砂防学会誌「新砂防」で谷と沢の呼び名が糸魚川−静岡構造線を境に東側が「沢」西側に「谷」が多いとの報文を読んだことがあります。

 市町村名でみると「谷」の名がつく市町村は29ありその内20が東側でこの分析に適合しませんが「沢」は33市町村の内、西側にあるのは1村だけで残り全て東側です。

 皆様の市町村にある土石流危険渓流は谷と沢、どっちが多いですか?

 因みに「砂」のつく市町村は6で、「防」は1市のみでした。


 次回は「さぼう」or「しゃぼう」どっちかな?




部長挨拶 原版(180KB)