5月19日(木)
国土交通省湯沢砂防事務所 山口真司 所長、本臼 茂 副所長より中越地震による土砂災害と緊急対策工事の概要説明、ヘリコプターで相川川、太田川、芋川流域の荒廃状況把握に続いて、芋川流域東竹沢地区、梶金地区、木籠地区、種苧原(寺野)地区を湯沢砂防事務所 本臼 茂副所長と杉本宏之調査課長にご案内を頂いて踏査した。
新潟県中越地方では19年振りの大雪に見舞われ、地震で被害を受けた家屋は積雪によって倒壊するなど、被害はさらに拡大している。地震で発生した地すべり地から、融雪で新たな土砂が生産(崩落土砂)されている。河道閉塞で水没した木籠地区の民家は、融雪出水の流送土砂で屋根まで埋没。地震前に比べて強度の小さい雨で土砂が生産され、さらに流域の荒廃が懸念される。
5月20日(金)
新潟県砂防課及び長岡地域振興局災害復旧部にお世話をいただいて、相川川、朝日川、太田川流域の地すべり地と復旧工事現場を踏査した。相川川流域の上流域では地震で多くの地すべりが発生、融雪水で地すべり斜面から土砂が生産され、人と車の交通を遮断あるいは河道内に堆積して流下断面の減少をきたしている。
浦柄地区(朝日川流域)や濁沢地区(太田川流域)では、河川災害復旧工事、災害関連緊急地すべり対策事業が行われていが、油夫や楢木地すべり等の災害地での本格的な事業の実施はこれからである。中越地震の二次災害ともいえる豪雪で、池谷、大久保地区では、全壊した家屋が目立つ。
最後に現地踏査団の一行は、長岡地域復興局を表敬訪問し、長島忠美 長岡市復興管理監(前山古志村長)に面談した。
旧山古志村民が代々愛し続けてきた山々、川は、地震によって一瞬のうちに変貌した。多くの農民が棚田も鯉の養魚池も失った。そのような中で、村の復興と故郷への復帰を強く願う長島忠美(前)山古志村長の言葉のなかに、村民が村を愛し、村民同士の深い心の結び付きを感じた。
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