全国治水砂防協会 UPDATE 2000/8/2




土砂災害対策の緊急要望活動について




  本協会の理事顧問会議が7月12日に開催されました。 当日は、建設省砂防部の幹部の皆様にもご臨席を頂き、森砂防部長から最近の砂防関係事業の動向・今後の重点的な取り組みの方針・有珠山の噴火や神津島地震などの被災状況と砂防部の対応等について、説明がありました。

 この説明を受けて、多数の理事の皆様から最近の土砂災害が頻発していることや砂防関係事業の整備が立ち遅れていること等、また平成13年度の概算要求を目前に控えていることなどから、砂防関係事業の推進について緊急に要望活動をすべきとの意見があり、全会一致で決議されました。

 これを受けて、協会本部では緊急要望書を作成して、7月24日、25日の両日に、政府ならびに国会に対して、要望活動を実施いたしました。

 以下に、要望書の全文を掲載し、報告といたします。






土砂災害対策の緊急かつ重点的実施について

 わが国の土砂災害危険箇所の整備は、著しく立ち遅れており、近年にお
いても全国的に土砂災害が多発し、国民の貴い人命と莫大な財産が失われた。
 本年も全国各地で既に多くの土砂災害が発生し、特に、3月末からの有
珠山の噴火や7月初めの神津島の地震では激甚な土砂災害が発生した。そ
して、多くの住民の方々が不便な生活を強いられ、多大な財産が失われる
とともに今後の降雨等による土石流等の二次災害の発生に脅かされている。
 政府におかれては、緊急土砂災害対策並びに災害に強い国土づくりのた
め早期に下記の対策を実現されることを強く要望する。


一、 全国18万箇所にのぼる土砂災害危険箇所の整備率は約20パ−セン
   トと極めて低いので、計画的整備の推進を図ること。

一、このたびの被災箇所について、災害関連緊急砂防等事業などの速やか
   な決定と早期復興
に万全を期すこと。

一、突発的に発生する火山噴火や地震による土砂災害から国民の人命を守
   るため
  ・住民への情報提供、防災空間の確保、避難路・避難地の整備等の危機
   管理体制の確立

  ・噴火・地震時の災害の軽減並びにその後の二次災害防止のための制度
   の充実
および砂防関係施設の整備
   を図ること。

一、 土砂災害防止法の円滑な施行推進のため
  ・基礎調査費補助の法律への位置付けと起債・交付税措置の対象
  ・ 土砂災害警戒区域等に係る税制上の特例および融資制度の拡充
   を図ること。

一、水源から海岸まで水系一貫してバランスのとれた土砂の管理を行うた
   め、総合的な土砂管理の推進を図ること。

  これらの施策の推進のため、本年度予算において所要額の確保を図ると
 ともに、平成13年度砂防関係事業費について、充分な予算を確保するこ
 とを強く要請する。

    平成12年7月24日

社団法人 全国治水砂防協会
会  長 唐 沢 俊 二 郎