2010/6/17
TOPICS
「2010台日砂防共同研究交流研討会」が開催される


 1989年から始められた当協会と台湾との砂防共同研究は21年目に入り、去る6月7日から12日まで、中華防災学会主催による標記研討会が台南で開催されました。
 昨年8月、モーラコット台風で大災害を受けた太痲里渓や旗山渓の小林村などを視察し、意見交換するとともに、台南市の成功大学で研討会が開催されました。我が国から、(社)全国治水砂防協会・大久保駿相談役を団長とする計5名が参加し、研討会では次の4課題の講演を行いました。

@深層崩壊に起因する天然ダム・土石流による被害の推定
内田 太郎 ((独)土木研究所土砂管理研究グループ火山・土石流チーム主任研究員)
A土砂災害時に発生した流木の流下過程−山口県防府市−
嶋  大尚 ((財)砂防・地すべり技術センター砂防部技術課課長代理)
B新潟県中越地震東竹沢河道閉塞緊急対策事例および災害対応訓練の紹介
渡部 康弘 ((財)砂防フロンティア整備推進機構砂防フロンティア研究所砂防管理情報センター次長)
C鹿児島県における土砂災害対策
木佐貫 浄治 (鹿児島県北薩地域振興局建設部河川港湾課河川砂防第二係長)

 また、講演の後には活発な討論が行われ、台日両国にとって大変意義ある研討会となりました。
 詳細については、「砂防と治水196号」(平成22年8月発行予定)で報告します。

研討会参加者

小林村の集落を呑み込んだ大崩壊(A)と天然ダムの決壊(B)
集落はCにあった。死者・行方不明者500人余。崩壊地や堆積土砂の上には植生が回復してきている。
太痲里渓中流の土砂流出。建物(D)が倒壊している。