TOPICS (社)全国治水砂防協会 UPDATE 2013/3/1

平成25年度水管理・国土保全局関係予算概要


※本ページは国土交通省水管理・国土保全局資料(平成25年2月)を基に作成いたしました。
※フルバージョン(PDF: 約25MB)はこちらをご覧ください(国土交通省HPへリンク)


1.予算概要

予算の基本方針
 日本経済再生に向けて、「復興・防災対策」、「成長による富の創出」、「暮らしの安心・地域活性化」の3分野に重点化するとの方針に基づき、水害・土砂災害等に対する事前防災・減災対策をハード・ソフトの両面から強力に推進する。

・東日本大震災の被災地の復興を加速させるため、堤防等の復旧・整備を推進

・九州の豪雨災害、紀伊半島の深層崩壊等、災害が頻発している状況を踏まえ、災害の起こりやすさや災害が発生した際に想定される被害の程度を考慮した予防的な治水対策や、近年、甚大な災害が発生した地域における再度災害防止対策を重点的に実施。

・老朽化等により機能が低下した施設の適切な補修・更新等を進めるとともに、維持管理データベースの整備や技術開発等を通じて長寿命化対策を促進し、ライフサイクルコストの縮減に努めつつ、戦略的維持管理・更新を推進。

予算の規模
 水管理・国土保全局関係予算(一般会計国費)  6,704億円
(治水事業等関係費 6,122億円、下水道事業関係費 54億円、災害復旧関係費 506億円、行政経費 21億円)
 
・上記以外に、東日本大震災からの復旧・復興対策に係る経費2,436億円(うち、復旧2,190億円、復興64億円、全国防災183億円)がある。
・上記以外に、省全体で社会資本総合整備19,491億円(東日本大震災からの復旧・復興対策に係る経費544億円〔うち、復興441億円、全国防災103億円〕を含む。)がある。
 ※復興庁に一括計上されている。

主要項目
1.治水事業等関係費
(1)事前防災・減災対策 【国費:約3,822億円】
1)予防的対策 【国費:約2,662億円】
 国民の安全を守るため、災害の起こりやすさや災害が発生した際に想定される被害の程度を考慮し、堤防の点検結果に基づく緊急対策や、深層崩壊や火山噴火の恐れが高い地域における土砂災害対策、国土保全上重要な沖ノ鳥島の保全など、予防的な治水対策を重点的に実施。

2)再度災害防止・危機管理対策 【国費:約1,160億円】
 平成24年7月の九州の災害、平成23年9月の紀伊半島の災害等、甚大な災害が発生した地域において再度災害防止対策を集中的に実施するとともに、危機管理体制の充実を図る。

(2)戦略的維持管理・更新 【国費:約1,358億円】
 施設の経年劣化の進行等により機能が低下した河川管理施設等の補修・更新等を行う。あわせて、河川維持管理データベースの構築、長寿命化計画の策定等を通じてライフサイクルコストの縮減を図る。

(3)河川環境整備 【国費:約50億円】
 豊かな河川環境を再生し、川の魅力をいかした都市・地域づくりをさらに進めるため、地方公共団体や住民等と連携した総合的な取組を実施する。

※治水事業等関係費として、この他に業務取扱費等がある。

2.下水道事業関係 【国費:約54億円】
 下水道事業調査費等では、資源・エネルギーの有効利用、アセットマネジメント、リスクマネジメント、効率的かつ計画的な浸水対策、津波対策等の推進を図るために必要な技術開発、調査研究等を実施する。

東日本大震災からの復旧・復興対策に係る経費
  
           【国費:247億円(うち復興64億円、全国防災183億円)
 
東日本大震災の被災地の復旧・復興を加速するため、堤防のかさ上げ等のインフラ整備の迅速化を図るとともに、今回の大震災の教訓を踏まえて新たに必要性が認識された河川津波対策等を推進する。

(1)復旧・復興対策
 東日本大震災の被災地の復旧・復興を加速するため、仙台湾南部海岸や旧北上川等において、河川・海岸堤防の復旧・整備や耐震・液状化対策等を推進する。

(2)全国的な防災・減災対策(河川津波対策等)
 津波対策として、大規模地震の対策地域における津波被害リスクが高い河川等において、河川堤防のかさ上げ、堤防等の耐震・液状化対策、水門等の自動化・遠隔操作化を実施する。

※東日本大震災からの復旧・復興対策に係る経費として、この他に復旧2,190億円がある。
 なお、復旧2,190億円、復興64億円は、復興庁に一括計上されている。
※東日本大震災からの復旧・復興対策に係る経費として、この他に社会資本総合整備(復興441億円、全国防災103億円)がある。なお、復興441億円は、復興庁に一括計上されている。



2.新規事項

新規制度
 
社会資本整備総合交付金及び防災・安全交付金において、以下の項目について制度拡充を行う。

(1)特定構造物改築事業及び堰堤改良事業の拡充
 河川管理施設のライフサイクルコストの縮減など一層の効率的な維持管理・更新を推進していくため、平成29年度までダムの長寿命化計画策定経費を新たに交付対象とする。また、水門、ポンプ設備等の河川構造物の長寿命化計画策定経費の交付対象年限を平成29年度まで延長する。

(2)津波・高潮・耐震対策事業の拡充
 東日本大震災における津波被害を踏まえ、東海、東南海・南海地震の特措法の指定地域等の現行の対象地域に加え、津波による被害を受けた地域のうち津波防災地域づくりに関する法律(平成23年法律第123号)に基づく津波浸水想定が設定された地域を対象地域として追加する。

(3)流域貯留浸透事業の拡充
 近年、全国各地でいわゆるゲリラ豪雨が頻発していることを踏まえ、流域対策をより一層推進するため、交付対象となる貯留・浸透施設の規模要件を「100mm/h安心プラン(仮称)」に登録された地域に限り複数の施設により500m3以上の容量を確保するものに緩和する。

(4)急傾斜地崩壊防止施設緊急改築事業の再編
 必要性・緊急性が高い施設の改築を重点的に実施するため、急傾斜地崩壊防止施設緊急改築事業の交付要件を総合流域防災事業に位置付けるとともに、緊急改築事業計画に基づく対策を推進する。

(5)海岸の耐震・液状化対策、水門等の自動化・遠隔操作化の推進
 東日本大震災の教訓を踏まえ、新たに創設された防災・安全交付金により、海岸堤防等の耐震・液状化対策、水門等の自動化・遠隔操作化等の事業を全国的に緊急に進め、被害の防止・軽減を図る。

(6)下水道総合地震対策事業の拡充
 都市再生緊急整備地域における下水道管渠の耐震化を交付対象に加えるなど、下水道総合地震対策事業を拡充し、人口・都市機能等が集中した地区における下水道管渠の耐震化を重点的に推進する。


防災・安全交付金
 
「防災・安全交付金」により、インフラ再構築(老朽化対策、事前防災・減災対策)及び生活空間の安全確保の取組を集中的に支援。(地域自主戦略交付金は廃止の予定。)
 防災・安全交付金を活用し、地震・津波や頻発する風水害・土砂災害に対する事前防災・減災対策、老朽化した社会資本等の総点検の実施、長寿命化等戦略的維持管理・更新の実施等に対して、重点的に配分することとする。



平成25年度水管理・国土保全局関係予算総括表 PDF 約200KB
平成25年度「東日本大震災復興特別会計」水管理・国土保全局関係予算総括表 PDF 約110KB






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