2013/10/2

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綿貫会長、富士山周辺の砂防を視察


  9月24日から26日にかけて、綿貫民輔当協会会長は、6月に世界遺産に登録された「富士山」周辺(山梨・静岡・神奈川各県域)の砂防及び地すべり現地を視察しました。

最初の視察である山梨県日川流域(甲州市)は、明治末の大災害で甚大な被害を出しましたが、内務省の直轄砂防事業で勝沼堰堤や下流域の水制工等の砂防施設で整備され、今では見事なブドウ畑になっています。
 続いて、河口湖町の旧足和田村の根場集落を訪れました。 昭和41年9月に土石流に直撃され甚大な被害を受け、その後、集団移転を行うとともに、砂防堰堤や流路工等が設置され、現在では「西湖いやしの里」として茅葺建物集落が再生されています。 また、当時の土砂災害を伝承するため「砂防資料館」が開設されていました。
 初日最終の富士川水系早川支川春木川(早川町)は、有名な大崩壊地の七面山を抱える我が国有数の荒廃渓流で、富士川に沿って「糸魚川・静岡構造線」が縦断し脆弱な地質であるため、土砂流出量が極めて多い流域です。そのため春木川においては、大規模な砂防堰堤群の施工工事が行われています。

 二日目は、富士山の西斜面に位置する大沢崩れ(富士宮市)を視察しました。 大沢崩れは、富士山頂直下から土砂が流出する日本最大級の大崩壊地であり、下流には広大な大沢扇状地が広がり、大規模な種々の砂防施設が施工されていました。その後直轄地すべり対策事業が施工されている由比地区(静岡市)を訪れ、日本の経済活動の大動脈となる国道1号線、東名高速道路、JR東海道線が集中する交通の要衝を守るため展開されている抑制工、集水井工、排水トンネル工等の施設を視察しました。

 三日目は、年間2千万人の観光客の集まる国際リゾート地である箱根町の大湧沢や早雲山で行われている大規模な地すべり対策の工事や砂防施設を視察し帰途につきました。

 今回の視察では、国土交通省関東地方整備局富士川砂防事務所、中部地方整備局富士砂防事務所、山梨県砂防課、静岡県砂防課、神奈川県砂防課(小田原土木センター)、甲州市教育委員会、富士河口湖町、早川町、身延町、富士宮市等の皆様には大変お世話になりました。  

日川:勝沼堰堤 (甲州市) 春木川 (早川町)


由比地区 (静岡市) 早雲山 (箱根町)

詳細は、「砂防と治水215号」(2013年10月号)に掲載します。