新 年 の ご あ い さ つ


2004(平成16)年1月5日
(社)全国治水砂防協会

理事長 大久保 駿


  新年明けましておめでとうございます。 皆様には清新なお気持ちで新しい年をお迎えになられたことでしょう。

 昨年もたくさんの方々にこのホームページにお出でいただき有難うございました。 4年半前の1999年6月に開設以来、ついに100,000件のアクセスを達成いたしました。 こんなに多くの方々にご覧いただいていると思うと、内容の更なる充実、情報の敏速な更新に一層努力をしなければならないと思う次第であります。

 昨年末、イランで大変な地震の災害が発生しました。わが国では、あの悲しい出来事であった阪神・淡路大震災から間もなく10年になろうとします。 復興はどんどん進み、しかし被災された方々はいまだ十分癒されていないことと思います。
 災害と言うものは時間とともにその記憶が薄れ、備えの心構えが遠のいていくということを寺田寅彦は「天災は忘れられた頃来る」と戒めました。 昭和8年三陸地方を襲った地震と津波が、37年前の「三陸大津波」と同じところで同じ災害が繰り返されたことを教訓として伝えようとしたと言われています。
 災害に対する意識の持続と注意喚起の継続が、住民にも行政にも求められるのではないかと思います。

 昨年は、一昨年10月の松本での砂防の国際会議「インタープリベント2002」に引き続き、昨年3月の京都での第3回世界水会議の中で、わが国の砂防グループは「土砂問題セッション」を主宰いたしました。 そのなかで、国際砂防情報ネットワークの充実が議論されました。 砂防あるいは土砂災害についての種々の情報が世界各国に相互に広く伝えられるように、そしてこれが土砂災害の問題の解決に大きな貢献をすると考えられたからです。
 土砂災害対策は国ごとにさまざまな取り組みがなされています。 しかし手法こそ異なっても、目的とするところは共通です。情報の共有と交換をさらに充実させていきたいと思います。

 土砂災害の恐ろしさや砂防の役割をもっと知ってもらうこと、そしてこれを持続させること、そのための手法、手段を考え、そして実行して行きたいと思います。 本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。