新 年 の ご 挨 拶


2005(平成17)年1月1日
(社)全国治水砂防協会

理事長 大久保 駿

 新年明けましておめでとうございます。皆様には、お健やかに新年をお迎えのこととご推察申し上げます。
 昨年中も、皆様方にはこのホームページをご覧になっていただきましたこと御礼申し上げます。

 昨年は10個の台風が上陸し、さらに新潟県中越地震が発生するなど大変な災害に見舞われました。近年にない災害の多発した年でしたが、年末にはスマトラ沖の大地震とインド洋諸国の津波災害が世界を震撼させました。被災されました方々に衷心よりお見舞い申し上げます。

 この1月17日は、阪神・淡路大震災から10周年です。この大災害を風化させることなく、その教訓を今後の防災対策に生かさなければならないと思います。砂防協会も、土砂災害防止のため、さまざまな取り組みを行っていますが、このような状況を深く理解して更に活動を充実させていく所存であります。

 昨年、三位一体改革の中で国庫補助負担金の改革が論議され、砂防関係補助事業の廃止・地方への移譲が提案されましたが、国民の生命・財産を守るための防災関係の事業は国の役割という結論となり、従来どおり補助事業という形で引き続き実施されることとなりました。相次ぐ災害を見ておりますと、まさに適切な結論であったと思っています。
 
 一方で、地方が自主的に、その裁量で独自性を持って地方を運営していく事は大変大事なことであり、砂防事業についても、国と地方の役割を分担しながら、かつ共同しながら進めていかれることが大事であると思っています。

 折りしも、市町村合併が進行しており、なおのこと地方分権の推進が重要であります。国、都道府県、市町村などの行政と国民が一体となった安全で快適な地域づくりが進められていくよう、砂防協会もさまざまなお手伝いをしていきたいと思っています。

 今年、3月から愛知万博が開かれます。開催地の長久手、豊田、瀬戸は、古くから砂防の行われた地域です。周辺には侵食で裸になった山を営々と砂防で緑にしてきた場所があります。万博のテーマ「自然の叡智」を象徴する場所ではないかと思っています。万博をご覧になった際に、周辺の自然を復元してきた砂防をご覧になってみてはいかがでしょうか。

 災害を防ぎつつ、豊かな自然の復元と創造を進める砂防の仕事が充実していくことを願っています。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。