新 年 の ご 挨 拶


2006(平成18)年1月1日
(社)全国治水砂防協会

理事長  大久保 駿

 新年明けましておめでとうございます。皆様には、お健やかに新年をお迎えのこととご推察申し上げます。
 旧年中も、皆様方にはこのホームページをご覧になっていただきましたこと御礼申し上げます。

 昨年も世界各地で大きな災害が相次ぎました。異常気象が異常でなくなってきており、いると思いますし、これまで予想もしていないような災害も起こってきています。災害の多様化、激甚化が実感として顕著になってきました。土砂災害を防ぐための努力が、さらに知恵を絞って多様に行われていかなければなりません。そして、行政の努力に加えて、国民一人一人が防災について意識をもって、協力し行動することが欠かせません。砂防協会は、防災意識の普及や砂防の役割り、大事さを広く周知できるような活動を推進し、実行していこうと思っています。

 防災への意識喚起のためには、災害を想定した準備、心構えを知ってもらう事はもちろん、大事ですし、砂防という仕事がどのような効果をもたらすのかを知って、理解してもらうことも大事だと考えています。災害が起こったときには、防災の不備、防災の充実が言われますが、砂防が実施されていたことによって災害を回避できたという事実こそ良く知ってもらうことが防災の意識喚起には必要と考えています。昨年末には、この成果の事例を「土砂災害を防ぐ−砂防施設効果事例集2005」として、わかりやすい冊子にまとめました。

 砂防協会も、土砂災害防止のため、さまざまな取り組みを行っていますが、このような状況を深く理解して、“砂防、防災の一般化”を主要な柱として更に活動を充実させていく所存であります。

 市町村合併が最終段階に来ました。新たな自治体の中で、土砂災害などの災害への対応が地域的に偏りの生じないよう、そして地域の防災力・・とりもなおさず行政と住民の共同作業でありますが・・・がいささかも低下、停滞しないような取り組みが進められることを願っています。

 地方が自主的に、その裁量で独自性を持って地方を運営していく時代であります。砂防事業についても、国と地方が役割を分担しながら、かつ共同しながら進めてくこと、そして地域の人々との一体化が大事であると思っています。

 災害を防ぎつつ、豊かな自然の復元と創造を進める砂防の仕事が充実していくことを願い、そして砂防協会はその一翼を担っていきたいと思っています。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。