(一社)全国治水砂防協会 UPDATE 2014/9/2

平成26年8月豪雨による
広島大規模土砂災害を踏まえた緊急提言





 一般社団法人全国治水砂防協会では、平成26年8月20日に広島市で発生した大規模な土砂災害を踏まえ、土砂災害による犠牲者をゼロにするための緊急提言を行い、当協会小坂憲次、大久保駿両副会長そして岡本正男理事長が9月2日、国土交通省を訪れ、太田昭宏国土交通大臣をはじめ幹部に、提言の実現を図るべく要望活動を行いました。
  




太田国土交通大臣に緊急提言を行う
(左から小坂副会長、太田大臣、大久保副会長、岡本理事長)

 以下に緊急提言を掲載し、報告といたします。

 
平成26年8月豪雨による
広島大規模土砂災害を踏まえた緊急提言



 
 未曽有の集中豪雨に襲われた広島市では、死者・行方不明者74名という甚大な土砂被害が発生した。不幸にして犠牲になられた方々に心よりお悔やみを申し上げますとともに、被災された方々にお見舞いを申し上げ、被災地域の一日も早い復旧・復興を願うものであります。
 今回の災害では、未曾有の集中豪雨と花崗岩地域特有の地盤の脆弱さが災害の規模を大きくし、深夜そして山側を開発された市街地での発生に加え「土砂災害防止法」の未指定や避難等にかかる対応が被害の規模を大きくしたと考える。
 一般社団法人全国治水砂防協会では、市町村長である地区代表理事の意見を聴取し、今回の平成26年8月豪雨による広島大規模土砂災害を踏まえ、土砂災害による犠牲者をゼロにするために以下の緊急提言を行う。

 
 1. 国は、今後の砂防行政に資するため、徹底した現地調査及び災害発生機構等の解明を行い、特に大規模な土砂災害が想定される市街地区域での土砂災害対策に反映すること。

 
 2. 国及び都道府県は、一刻も早い再度災害防止を図るため、緊急砂防事業等について積極的かつ迅速に対応すること。

  
 3. 国は、迅速な避難等を促すため、広島県及び広島市と協同して、警戒避難体制や危機管理体制の徹底的な検証を行い、雨量情報も含めたソフト対策について都道府県及び市町村に助言すること。

 
 4. 国は、「土砂災害防止法」の指定を促進するため、所要の法改正を行うとともに、国、都道府県及び市町村は協力して、一刻も早い指定の完了を目指すこと。

 
 
 5. 国は、頻発かつ大規模化する土砂災害から人命を守るため、土砂災害専門家の増員と養成を図ること。


 6. 国及び都道府県は、砂防関係施設が今回の災害でも大きな効果を発揮していることに鑑み、土砂災害を未然に防止するため、砂防関係事業の予算を大幅に確保し、ハードによる整備を強力に推進すること。

 以上、緊急提言する。


   平成26年9月1日
 

 
一般社団法人 全国治水砂防協会
 
会 長  綿貫 民輔  

 





平成26年8月豪雨による広島大規模土砂災害を踏まえた緊急提言(PDFファイル)



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