(一社)全国治水砂防協会 UPDATE 2017/8/02

九州北部豪雨による大規模土砂災害を踏まえた緊急提言




 一般社団法人全国治水砂防協会は、8月1日、森山裕理事から石井啓一国土交通大臣に「九州北部豪雨による大規模土砂災害を踏まえた緊急提言」の実現を要請しました。
また、同日岡本正男理事長から国土交通省幹部と砂防部の栗原淳一砂防部長他幹部への要請活動も行いました。 
 
左から岡本理事長 石井国土交通大臣 森山理事
 
   
 
左から 栗原砂防部長  岡本理事長 
 
 
    
平成29年7月九州北部豪雨による
大規模土砂災害を踏まえた緊急提言



    
   未曽有の集中豪雨に襲われた九州北部地方を中心に、死者・行方不明者43名という甚大な豪雨災害が発生しました。不幸にして犠牲になられた方々に心よりお悔やみを申し上げますとともに、被災された方々にお見舞いを申し上げ、被災地域の一日も早い復旧・復興を願うものであります。
 今回の災害では、線状降水帯を原因とする連続して発生する集中豪雨が、九州北部の山間に位置する集落を絶え間なく襲い、被害を拡大させました。今日の気象状況を勘案するに、このような災害は九州北部に限られた現象ではなく、全国のどの地域でも発生し得るものと考えられます。
 一般社団法人全国治水砂防協会では、会員である市町村長の意見を聴取し、今回の九州北部大規模土砂災害を踏まえ、土砂災害による犠牲者をゼロにするために以下の緊急提言を行います。


 
 
   1. 二次災害の防止
国及び関係機関は、今後予想される台風や集中豪雨等による再度災害防止に向け、応急対策や緊急砂防事業等について積極的かつ迅速に対応すること。また、今回の災害では流木が被害を大きくしたことが考えられるため、流木対策を徹底すること。

 
   2. 警戒避難体制の強化
国及び関係機関は、被災地における土砂災害に対する警戒避難体制を強化するため、土砂災害警戒情報の運用について必要な助言を行うこと。併せて、土砂災害により山間地に点在する集落の孤立を招いた現状を深く受け止め、その対策を早急に図るため、避難所や避難路の保全に取り組むこと。


  
 
   3. 国による技術的支援
国は、今後の砂防行政に資するため、徹底した現地調査及び災害発生機構等の解明を行うこと。併せて、頻発かつ大規模化する土砂災害から人命を守るため、土砂災害専門家の増員と養成を図ること。


 
 
   4. 被災地ならびに全国の土砂災害対策の推進
今回の災害であらためて砂防施設の効果が示されたことに鑑み、土砂災害を未然に防止するため、砂防関係事業の予算を確保し、砂防関係施設の整備を強力に推進すること。

 
 
 
   以上、緊急提言する。


      平成29年8月1日
   
  一般社団法人 全国治水砂防協会
   
  会 長  綿貫 民輔    
 
   


平成29年7月九州北部豪雨による
大規模土砂災害を踏まえた緊急提言(PDFファイル)


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