(一社)全国治水砂防協会 UPDATE 2020/9/4

令和2年7月豪雨による
広域的な大規模土砂災害を踏まえた緊急提言





 一般社団法人全国治水砂防協会は、9月4日、綿貫民輔会長から赤羽一嘉国土交通大臣に「令和2年7月豪雨による広域的な大規模土砂災害を踏まえた緊急提言」の実現を要請しました。
また、同日大野宏之理事長から国土交通省幹部と砂防部の今井一之部長他幹部への要請活動も行いました。 
 
左から   綿貫会長    赤羽国土交通大臣  
 
   
 
左から   今井砂防部長    大野理事長    
 
 
    
令和2年7月豪雨による
広域的な大規模土砂災害を踏まえた緊急提言



    
   令和2年の梅雨前線豪雨は、九州地方をはじめ長野県や神奈川県など、これまでで最も広域となる全国37府県において900件を超える土砂災害が発生し、これに伴い17名の尊い命が奪われるなど、甚大な被害をもたらしている。犠牲になられた方々に哀悼の意を表するとともに、被災された皆様にお見舞いを申し上げ、被災地域の一刻も早い復旧・復興を願うものであります。
 気候変動により凶暴化する自然現象が毎年のように国土の荒廃を招き、土砂災害リスクを増大させている状況を踏まえ、国土の強靱化を図り国民生活に安全・安心をもたらすべく以下の緊急提言を行う。


 
 
   1.  二次災害・再度災害の防止と早期の復旧・復興
 国及び都道府県は、今次災害の被災地において二次災害防止及び再度災害防止に全力を挙げて取り組むとともに、早期復旧、復興の支援を行うこと。

 
   2.  防災・減災のための国土強靱化に必要な予算の確保
 
事前に整備されていた砂防施設が土砂を捕捉し、被害を防止した事例が数多く報告されている。激甚化・頻発化する災害に対して防災・減災を図り住民のいのちとくらしを守るためには、国土の強靱化を一層強力に進めて行かなければならない。そのため、本年度までの「3か年緊急対策」後も新たな事業計画を策定のうえ中長期的な目標を示しつつ、事前防災対策を強力に推進するための必要・十分な予算の確保を図ること。
  
 
   3.  土砂災害防止法に基づくソフト対策の徹底
 
今回の災害においても、事前の避難により命が守られた事例が多く見られた。今後とも自らの避難行動や共助につながるよう、平時からの住民の防災意識を高めるための取り組みなど、ソフト対策の一層の充実・徹底を図ること。

 
   4.  土砂災害対策の専門職員等の確保・増員
 
被災した自治体は、土砂災害対策の専門職員やTEC-FORCE隊員(砂防班)等による数多くの支援を求めている現状を踏まえ、被害が広域に及ぶ大規模災害に的確に対応するため、土砂災害の専門職員及び整備局職員等のさらなる確保・増員を図ること。

 
   
 
   以上、緊急提言する。


      令和2年9月4日
   
  一般社団法人 全国治水砂防協会
   
  会 長  綿貫 民輔    
 
   


令和2年7月豪雨による広域的な大規模土砂災害を踏まえた緊急提言(PDFファイル)


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