SABO NEWS LETTER 第16号 1999/6/18
3.土砂災害防止月間 東祖谷山村大会
   「避難救助訓練」・「推進の集い」 を開催
主催 : 徳島県東祖谷山村・建設省四国山地砂防工事事務所

本大会は、四国山地砂防工事事務所管内の町村が持ち回りで開催しているもので、今年度は徳島県の東祖谷山村での開催となり、通算17回目となりましたが、6月12日(日)に、同村の東祖谷山中学校において、午前中は運動場で「避難救助訓練」を、午後からは同中学校の体育館にて「推進の集 い」(講演会等)を実施しました。

当日実施した主な内容をご紹介します。

1.避難救助訓練

本訓練は、徳島県内に大雨洪水警報が発令され、連日の大雨で地盤がゆるみ土石流が発生し、砂防工事現場の作業員と民家の老夫婦が行方不明になったとの想定のもと、現地対策本部を設置、それらに伴う救助と情報伝達を中心とした訓練が実施されました。

 地元東祖谷山村の消防団員や建設業協会の作業員が、
(1) 被災現場への入退においては、手形を用いて確認、
(2)捜索作業は、被災現場を格子状に区切り、
(3)スコップ等で手作業にて行う等、本番に則した作業にて実施しました。
 
また、NTTや四国電力による通信網の復旧、警察による住民の避難誘導、消防本部による救出者搬送訓練、ヘリコプターによる上空視察や、陸上自衛隊による人命救助システムの展示等も実施されました。


2.推進の集い

建設本省砂防部の牧野裕至・特定斜面整備対策官が、「平成10年の土砂災害から学ぶこと」と題して、土石流について災害事例の映像やスライドにて解説。

  また、香川洋二・前どんぐりボランティアネットワーク代表からは、「どんぐり集め、森と水とのふれあい」と題し、早明浦ダム上流地域の森林整備から生まれる流域の地域交流等の体験談を講演いただいた後、最後に、昨年高知県で発生した斜面崩壊災害を記録した映画を上映しました。

中山間地域における厳しい現状を再認識するとともに、これからの本格的な出水シーズンを迎えるにあたり、非常に有意義な大会であったと確信しております。