SABO NEWS LETTER  No.21 1999/9/22


5. 「砂防フォーラムin鳥取」開催結果について


「 砂防フォーラムin鳥取 」(主催:建設省倉吉工事事務所・日野川工事事務所、鳥取県)を去る9月9日、建設省から池谷砂防部長をお招きし、鳥取市の県民文化会館小ホールにおいて開催しました。「恐ろしい土砂災害」〜自分の命を守るために〜をテーマとしたこのフォーラムには、一般住民や各行政機関の防災担当者、民間の砂防関係業務従事者、砂防ボランティアなど、440
名の参加がありました。

 池谷砂防部長は、特別講演の中で「21世紀は異常気象の時代、災害弱者増加の時代になることを認識し、行政と住民が情報の共有を行い、自分の身を守る手段として情報を利用していくことが必要である。」などの話をされました。
 つづいて、土石流、地すべり、斜面崩壊などの実際の映像を交え、それぞれの土砂災害の前兆現象と特徴、対策工法を紹介するとともに、雨量などに気をつけ、土砂災害の前兆と思われる現象を確認したら自主避難するよう呼びかけるビデオの上映を行いました。

土砂災害体験談では、平成9年7月の梅雨前線豪雨により島根県平田市で発生した布勢川土石流災害をふりかえって、当時、区長をつとめていた米江徳次さんが
「水が黒く濁り、流木が混じるなどの土石流の前兆現象にいち早く気づくことができたので、地区住民に避難を呼びかけ人命を守ることができた。」 
「川ばかりに気をとられず日頃から山の管理を行い、災害に強い山づくりを考えるとともに、普段の山の状況を把握していないと土砂災害は防げない。」
などの話をされました。

パネルディスカッションでは、鳥取大学の道上正@副学長をコーディネーター、池谷砂防部長をアドバイザーに、三朝町長の吉田秀光さん、鳥取大学農学部助教授の久保田哲也さん、土砂災害体験者の米江徳次さん、コンサルタントの山下祐一さん、鳥取県砂防ボランティア協会副会長の山田修造さんの5名の皆さんがパネリストになり、
「自分の住んでいる場所が危険な箇所かどうか確認し、自分の命は自分で守るという意識を持つことが必要である。」
「行政が土砂災害の危険箇所を住民に積極的に知らせ、土砂災害に対する住民の認識を高めていくことが必要である。」などの話のあと、会場の参加者との意見交換が行われ、4時間半のフォーラムを盛況の中終了しました。

   
(上記に関するお問い合わせは、鳥取県土木部砂防利水課まで)