SABO NEWS LETTER  No.24 1999/12/2 


6. 富士山直轄砂防30周年記念式典・シンポジウム」


 富士山直轄砂防事業が昭和44年に着手し、30年の節目として「富士山の昨日、今日、明日」をテーマに、事業を振り返り多方面から評価・意見をいただく一連のイベントが実施されています。
 富士山直轄砂防30周年記念事業実行委員会(富士宮市・富士市・芝川町・静岡県)の主催で、記念式典とシンポジウムが11月17日富士宮市民文化会館大ホールにおいて開催されました。

 式典は、実行委員長(渡辺 紀 富士宮市長)、建設省砂防部長、中部地方建設局長(門松 河川部長代読)による挨拶、来賓(大野 静岡県出納長)からの祝辞、富士砂防所長による事業経過報告がなされました。
 また、昭和51年7月に大沢崩れを訪れた幸田 文 さんの随筆から製作したハイビジョンビデオ映画「幸田 文 『崩れ』富士山大沢崩れ」の初公開上映につづき、青木 玉 さん(幸田文さんの長女)による特別講演「『崩れ』と様々なつながり」が行われました。 「人の計算外のことが起こるのが自然。崩れへの母の思い、憂いは間違ってなかったと思う。崩れが自然を考えるきっかけになってほしい」と述べ 1,200人収容の会場を埋めた聴衆は興味深く聴取していました。

 第2部シンポジウムは「富士山を見つめ、学び、富士山を愛する人々と語る」をテーマとし、池谷 浩 建設省砂防部長をコーディネーター、 今井通子さん医師・登山家・富士山大沢崩れ研究会メンバー・御中道ぐるっと360度塾長)若林淳之さん(静岡大学名誉教授・同研究会メンバー・富士宮市在住)、山村レイコさん(エッセイスト・国際ラリーライダー・朝霧高原在住・H11富士砂防一日事務所長)、青木奈緒さん(エッセイスト・青木 玉 さん長女)、水山高久さん(京都大学教授・昭和52年富士砂防勤務)の富士砂防にゆかりのあるパネリストとしました。また、町田 洋 都立大名誉教授、増沢武弘静岡大教授、渡辺 新 浅間大社権宮司等よりVTRでコメントをいただき、それぞれの専門分野から富士山の様々な実態と富士山への思いや今後の事業展開に関する活発な意見交換が行われました。そして最後に「日本国民の心の山、富士山といかに共生すべきかがこれからの課題であり、そのためにはもっと知ること、そして幅広い連携が必要」として締めくくられました。

 式典・シンポジウムのエンディングに、富士山への手紙・絵コンクールの受賞作品が読み上げられ、聴衆におおきな感動と余韻を残し閉会しました。

 ※近日中にビデオ映画と特別講演をVHSテープに収録し、全国の砂防事務所、各県砂防担当課室へ送付いたします。


(上記に関するお問合せは、建設省 中部地方建設局 富士砂防工事事務所まで)