SABO NEWS LETTER  No.35 2000/7/14 


1. 建設省砂防部長より


 市町村長殿


  ・東京都伊豆七島の三宅島は小規模な噴火が続いており、注意が必要ですが、一息入れようとした途端に、神津島で震度「6弱」の地震が2回発生しました。
建設本省、土木研究所、東京都で現地調査を行いましたところ、約100ヶ所の崩壊地が発生していることが解りました。震度「6」を越える地震があると崩壊が発生しやすいようです。現在も震度3〜4の地震が頻発しており、降雨期には土砂災害発生の恐れが高い為、当面は警戒・避難体制の万全を期してもらうこととし、災害関連緊急事業による緊急な対策の早期採択実施に向けて調査を行っているところです。

・また、北海道の有珠山では終息する可能性が示され、地元虻田町では避難指示区域を大巾に縮小し、洞爺湖温泉の復興に向けて、砂防事業を中心とした防災対策の検討が始まりました。

・ ヨ−ロッパアルプスの周辺諸国で4年に1回オリンピックの年に開催されている、土石流・なだれ等に関する国際シンポジウム「インタ−プリベント2000」が6月末オ−ストリアのフィラッハで開催されました。日本は1980年から参加しており、同時に開催される参加国の代表者による行政官会議に、今回は近藤傾斜地保全課長が参加し、「土砂災害防止法」の説明を致しました。インタ−プリベントは、日本の(社)砂防学会が環太平洋支部長となっており、2002年10月中旬には、日本の長野県松本市で臨時大会を開催すべく準備をすすめているところです。

・ 6月22日富山県と北陸地方建設局が主催して「世界トロッコサミット」が富山市で開催され、「トロッコ」という言葉が日本語(造語)であることを始めて知りました。
 懇談会の場で、実行委員長である伊藤和明文教大学教授(前NHK解説委員、立山カルデラ博物館名誉館長)が、立山砂防の要である白岩堰堤築造の為、故赤木正雄博士(元貴族院、参議院議員、元建設政務次官、文化勲章受章)が敷設され、今現在も資材運搬人員輸送等に活躍している「立山砂防工事用軌道」について、「このトロッコは砂防工事の実施の為に作られたが、このトロッコがなければ白岩堰堤を始めとする砂防工事はできなかった。このトロッコにより富山の人々が守られているといっても過言ではない」と話され、感銘を受けたしだいです。



砂防部長 森  俊勇


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