SABO NEWS LETTER  No.35 2000/7/14


4. 有珠山における土砂災害防止対策の状況



7月12日現在、有珠山周辺の避難指示区域の多くが一時解除されていますが、虻田町泉地区の一部と洞爺湖温泉地区の一部、1018世帯、1934人の方々には未だに避難指示が出ており、そのうち130世帯、179人の方々が避難所生活を続けています。
 

(1)有珠山土砂災害対策専門家チーム

  噴火直後の4月1日から土砂流出や降灰状況等の監視・観測、土砂災害対策の基礎調査を続けており、調査内容等のレポート及び火口周辺等の画像を下記のホームページで閲覧できます。
     
      http://www.mr.hda.go.jp/usudata/dosha.htm


(2)泥流に対する警戒・避難体制

  火山活動の沈静化に伴い、虻田町入江地区及び泉地区では避難指示が一時解除され、住民が帰宅していますが、この地区を流れる板谷川流域では、依然として降雨時の泥流発生が心配されています。有珠山土砂災害対策検討委員会(委員長:新谷北海道大学教授)では、この地区における降雨量による泥流警戒避難基準及び区域を検討し、虻田町に検討結果を提供しました。虻田町ではこれをもとに泥流避難計画を作成、内容を住民に説明し避難に役立てています。洞爺湖温泉地区においても一部区域の避難指示解除に伴いこの地区を流れる西山川の泥流避難基準を設定しています。


(3)無人化施工機械による泥流対策

 板谷川の泥流対策として無人化施工で築造している遊砂地は、7月10日現在11,300m3を掘削し7月末までには全掘削量の約4分の1にあたる15,000m3を掘削する予定です。

 洞爺湖温泉地区を流れる西山川流路工内の障害となっていた橋の撤去も無人化施工で実施してきましたが、7月2日に完了しました。

 引き続き、7月10日から西山川流路工内にある火口からの熱泥水により堆積した土砂の掘削を実施しています。
 


(上記に関するお問い合わせは、建設省砂防部砂防課まで)