(社)全国治水砂防協会  2004/10/22更新


全国治水砂防促進大会  
北側 一雄 国土交通大臣祝辞  全 文


2004(平成16)年10月12日(火)  砂防会館別館 シェーンバッハ・サボー 利根




 ご紹介いただきました、先般の内閣改造で国土交通大臣の大任を拝命いたしました北側一雄でございます。
今日、全国からお集まりの皆様方におかれましては、日ごろから国土交通行政に大変ご協力を賜っております。この場をおかりいたしまして厚く御礼申し上げる次第でございます。

 また、綿貫会長を始め、今日は衆参の先輩の国会議員の皆様が大勢お集まりでございます。皆様のご指導に心から御礼申し上げる次第でございます。

 今、綿貫会長からご挨拶がございましたように、今年は本当に豪雨、台風被害の多い年でございます。9度にわたりまして台風が上陸いたしました。今日お集まりの皆様の中でも、例えば新潟県や福島県、福井、さらには三重、愛媛、香川、静岡、長野等々、多くの土砂災害等に見舞われた地域がおありと存じます。

 今年は、既に1,400件を超える土砂災害が発生し、多くの尊い人命や家屋等の貴重な財産が失われております。多くの方々がお亡くなりになられたわけでございますが、改めて深くご冥福を祈りたいと思いますし、また、今日お集まりの市町村の皆様には救命活動、また復旧活動等に昼夜を分かたずご苦労いただいたことに、心から感謝を申し上げたいと思っているところでございます。

 従来から、国土交通省は土砂災害対策の推進に努めているところでございますけれども、全国の土砂災害危険箇所は20万箇所を超えております。実をいいますと、私も台風21号が襲来した後に、愛媛県の新居浜市、そして西条市、さらには、台風16号で大変な浸水になりました、隣の高松市の方に、先週の初め、行かせていただきました。上空からヘリコプターで視察もさせていただきました。

 私が1点、本当にびっくりいたしましたのは、新居浜や西条の上空から山々を見たときに、実際、土砂災害、また、被害に遭っているところは、大変な被害でありますけれども、ごくごく一部でございます。山という山、あちこちで山肌が削れ、地すべりが起こり、土砂が崩れている。私は、その姿を見まして、これは被害があったのはごくごく一部でございまして、山が大変荒れているということを、改めて痛感した次第でございます。
 今後とも、国土交通省は土砂災害対策の推進に全力を挙げて取り組みをさせていただきたいというふうに決意しておるところでございます。

 さて、このような中、皆様もご承知のように、今、三位一体の改革の論議が行なわれております。11月の半ばを目指しまして、この三位一体の改革の取りまとめがなされようとしているところでございます。

 私は、地方分権を推進していく、地方の自主性や裁量性を増していく、そういう意味で、この三位一体改革は推進していかねばならない、そのように思いますが、その際には、数字合わせではなくて、それぞれの事業について、国と地方の役割について、きちんと明確化していくということが非常に大切であると思っておるところでございます。
 国土を保全する、国土を守る、国民の人命・財産を守る土砂災害対策というのは、国家の基本的な責務であると思っております。

 また、今後の三位一体改革の論議の中で、今は補助金改革の論議が先行しているわけでございますが、三位一体というのは、まさしく補助金改革だけではございません。税源移譲をどうしていくのか、税源移譲の対象をどうしていくのか、公共事業は税源移譲の対象になるのかどうか、地方交付税はどう見直していくのか、まさしくこの税源移譲の問題、地方交付税の問題と三位一体で論議していく必要があると思うわけでございます。その点、しっかりと私自身もこれから主張させていただきたいと思いますが、是非今日お集まりの皆様にも、ご理解をお願いしたいと思っておるところでございます。

 ともあれ、国土交通省といたしましては、本年の災害の激甚さに鑑み、昨年10月に閣議決定されました社会資本整備重点計画に基づき、砂防関係事業を今後ともなお一層強く推進するとともに、総合的な土砂災害対策を強力に推進していく所存でございます。

 皆様におかれましては、砂防行政につきまして、引き続き格段のご理解とご協力を賜りますとともに、安全で活力ある地域づくりに一層のご尽力をいただきますようにお願い申し上げる次第でございます。


 終わりに、本大会のご成功と全国治水砂防協会のますますのご発展、並びに本日ご列席の皆様のご健勝とご多幸を祈りまして、私のお祝いの言葉とさせていただきます。
 有難うございます。



関連記事-全国治水砂防促進大会開催される




HOME