(社)全国治水砂防協会 UPDATE 2009/12/2

平成21年度「全国治水砂防促進大会」提言




 社団法人全国治水砂防協会では、昨今の土砂災害による被害の実態に鑑み、平成21年11月17日に開催された「全国治水砂防促進大会」において下記提言を決議し、直ちに国会および政府等へ要望活動を行いました。

 以下に提言を掲載し、報告といたします。


提 言




 今年も、山口県や福岡県をはじめとして、各地で千件を超える土砂災害が発生し、尊い人命が失われています。

 地域住民の生命と財産を預かる我々市町村長は、豪雨や地震の度に、被害者が出ないように全力を挙げて対応していますが、昨今の異常気象による想定を上回る雨量や、地震が頻発しており、どのように対処すべきか大変苦慮しているのが実情です。

 地域や人命を土砂災害から守るために、我々も努力するのは当然でありますが、都道府県や国も一緒になって、以下のことに取り組んでいただきたく提言します。
 

集落及び国道262号が被災
(平成21年7月21日、山口県防府市下右田、死者4名)
(国土交通省砂防部ホームページより)
福岡県篠栗町篠栗地内(平成21年7月24日、死者2名)
(写真提供:【上】国土交通省九州地方整備局、【下】福岡県)


土砂災害発生件数と死者・行方不明者数(平成21年10月13日時点)
                         
 (国土交通省砂防部調べ)


一 土砂災害防止施設が整備されて、被害が軽微ですんでいる事例が多くあります。土砂災害防止施設の整備により地域を安全にし、人命を守るのが基本です。着実に整備を進めることを提言します。  
(国土交通省砂防部ホームページより) 下流の温泉街を護った砂防えん堤(石川県白山市)
(土砂災害を防ぐ―砂防施設効果事例集2005―より)


一 とは言え、土砂災害防止施設の整備が進んでいない現状では、並行して警戒避難により、少なくとも人命被害を減らす努力をせざるを得ません。避難勧告が発令しやすい環境の整備、つまりシステム整備や基準の明確さと精度向上、そして緊急時の支援体制等を充実することを提言します。

土砂災害危険個所の整備率(平成18年度末)
(平成20年版砂防便覧より)


一 今年の防府市の災害で、あらためて災害時要援護者関連施設の問題が浮き彫りになりました。施設の入居者が安全に避難できるような計画の作成に我々は努力します。併せて、このような施設を保全する土砂災害防止施設を重点的に整備することを提言します。


土石流の被害を受けた災害時要援護者関連施設(平成21年7月21日、山口県防府市、死者7名)
(写真提供:山口県)


   平成21年11月17日
社団法人 全国治水砂防協会
会 長  綿貫 民輔




全国治水砂防促進大会提言書(PDFファイル:約250KB)

【特別講演及び意見発表資料】
 青山氏 特別講演資料(PDFファイル:500KB)
 三浦篠栗町長 意見発表資料(PDFファイル:700KB)
 舟橋立山町長 意見発表資料(PDFファイル:800KB)





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